ありがとう

今日、子どもたちと駅付近を歩いていたら少し訛りのある日本語で「スミマセン!おカネ!」と声をかけられた。数メートル向こうで自転車に乗ったまま足をついてこちらを見ていたのはインド系の20代~30代の男性。自分のお尻のポケットを叩きながらこちらも見てもう一度「おカネ」と言う。さきほど本屋に寄った後に二千円を尻ポケットに無造作にいれたことを思い出した。自分の尻ポケットを触るとその二千円がもう落ちそうなくらい顔を出してた。顔をあげると無表情な彼の瞳と目があった。「ありがとう!ありがとうございます!!」と彼にきちんと届くように大きな声でお礼を言った。それを聞き彼は『頼むよカーチャン』といった表情を残しそのまま自転車に乗り直し走り去った。

 

 


この国で働く外国人の、訛りがあったり流暢だったりする日本語を耳にするたびに、この国に来てくれてありがとうと思う。それは私が同じ立場にいたことがあるからかな?そうじゃないかな。

彼らがここで暮らす上できっとこの土地を好きだと思う瞬間も嫌いだと思う瞬間もあるはずだ。そういう気持ちが重なって、見知らぬ土地は故郷になっていく。この国を選んで住んで、働いているのであれば、ただ嬉しく思う。私はこの国が好きだから、ここに来てくれて好きになってくれていたら嬉しいなと思う。